看護師は切迫早産になりやすい!?【対処法と予防法を解説!】

働き方

看護師は切迫早産になりやすいという話はよく聞きますよね。それを聞いて不安を感じながら働いている方も多いと思います。

私は助産師として多くの切迫早産の方と関わってきました。また、看護師で妊娠生活を過ごした経験もあります。その経験から切迫早産のリスクを減らす対処法や予防法を紹介します。

この記事を読むことで、切迫早産のリスクを減らすにはどのように過ごすと良いのかわかると思います。無理をしないような仕事や生活を心がけて安全に妊娠生活を過ごせるようにしていきましょう!

看護師が切迫早産になりやすい理由

体に負担がかかりやすい仕事内容:夜勤や立ち仕事、力作業

夜勤や長時間の残業といった働き方は生活リズムが不規則になりやすいです。不規則な生活リズムは切迫早産のリスクを高めると言われています。

看護師は立ち仕事も多いし、体位変換や移乗介助など力作業が多いよね
無理のないように働いていても、おなかに力がかかってしまったり体に負担がかかりやすい仕事といえるね。

妊娠中でも使命を全う:看護師が抱える『責任感』と『無理』の実情

病院に勤務する看護師を対象に妊娠中に感じた困難をまとめた研究には以下のような文章があります。

妊娠判明後もこれまでと同じように業務を遂行するため,妊婦には負担の大きい患者の体位交換や移動,急変時の対応なども可能な限り自分で行っていた。その行動は,チームで看護を提供している病棟内で,自分の役割を遂行しなければならないという強い責任感によって支えられていた。(1)

看護師は責任感が強くてまじめな人が多いから、妊娠という個人的な理由で職場に迷惑をかけられないと思ってしまうのかも。私も妊婦の時にそう思ってたな。

そうそう、妊娠は病気じゃないし体調がつらくても少し無理をして働くことも多いよ。

人手不足や自己管理を求められる職場環境

特に研究参加者がつらさを訴えていたのは,勤務人数も少なく役割負担の大きい夜勤であったが,実際には人員が不足していたり経験年数が若いスタッフが多いことを理由に夜勤免除できない状況が語られていた。(1)

人手不足や若手が多い職場環境では、上司へ夜勤の免除をお願いしても調整が難しい場合もありました。そのような場合は、自己管理でどうにか乗り切らなければならないという厳しい現実がありそうです。

実際にできる切迫早産の予防法・おなかが張らないように過ごす方法

妊娠がわかったら早めに師長や病棟スタッフへ伝える

妊娠がわかったら(特に体調が悪い場合は)はやめに上司や病棟のスタッフへ伝えましょう。そして自分が負担に感じる業務は避けてもらえるようにしましょう。

体の負担の軽いリーダー業務を多めにしてもらう、感染症患者や介助量の多い患者の担当を避けてもらう、など自分が負担に思うことや希望を伝えると相手も配慮しやすいかも

妊娠中の看護師と一緒に働く若手看護師を対象としたこんな研究報告もあるよ!

若手看護師らは妊婦ナースをサポートすることを積極的に引き受け『サポートを好意的に担おうとする心情』を多く語っていた. 妊婦ナースに対して,≪サポートしたい気持ちがあるため,辛い時は声をあげて欲しい≫と語った一方で,<妊娠前からスタッフに指示を出すだけで動かなかったり,性格の悪いスタッフが妊婦ナースになると,サポートはするが穏やかな気持ちではいられない>
<真面目に働いている妊婦ナースであれば,体調不良でケアの代わりを頼まれても快く引き受けることができる>と述べ,妊婦ナース自身にも一定の謙虚さや努力を示すことを要望していた(2)

この研究の若手看護師の気持ち、とてもよくわかる(笑)

妊娠する前からの働き方や、普段から信頼関係を作っておくことが大切ということね!

私も自分が妊娠していた時もそうであったように、同僚の看護師からのサポートを受けることを申し訳なく思ってしまう気持ち、とてもわかります。

ただ、その厚意を受け取り感謝を伝えたり、自分のできる仕事を精いっぱいする、といったことでお互いに気持ちよく働けるのではないかなと思います。

おなかの張りにつながりやすい要因を予防する

おなかの張りにつながりやすい要因として、代表的なものに以下のようなものがあります。

・便秘・膀胱の充満
・おなかの締め付け
・冷え
・乳首のマッサージ
・疲労

便秘にならないように水分をしっかりとる。おなかを温める、足首までかくれる靴下をはく、など日頃からの心がけで予防できることも多いよ!

おなかの張りが気になるなら妊婦健診や時間外受診で早めの相談を!

特に妊娠週数が浅いうちは、おなかの張りはわかりにくいです。横になっておなかに力が入っていない状態でおなかをさわってみてください。

おなかの張りの感じ方は人それぞれ!おなかの中で風船がぷく〜っと膨らんでくる感じおなかがずーんと重い感じ、と表現されることが多いよ。

何度かさわっていると、今日のおなかはやわらかいな、とか、今日は疲れがたまっているせいか硬めだな、とわかるようになってきます。

おなかの張りには痛みをともなうものと、痛みをともなわないものがあるよ!痛みのあるおなかの張りは要注意

おなかの張りを感じて横になって休んでもおなかの張りがおさまらない、痛みがある、といった時ははやめに受診の相談をしましょう。仕事中や仕事後に頻繁におなかが張る、など気になる症状も妊婦健診の時に相談して、はやめに対応できることが大切です。

母性健康管理指導事項連絡カード

体調がつらいけど、仕事の調整のお願いがなかなか言い出せない…

そんな時は「母性健康管理指導事項連絡カード」!
健診の時につらいと思っていることを相談してみるのもいいかも

体調がつらいけど仕事の調整のお願いができない…なんてこともあると思います。そんな時は、医師に仕事内容などつらいと感じていることを相談してみましょう

医師の判断で、勤務時間を短くする必要がある、夜勤を制限する必要があるとされたら、医師が母性健康管理指導事項連絡カードを記入します。
母性健康管理指導事項連絡カードを提出された事業主は必要な措置を講じる必要があります。

まとめ

看護師は労働環境や仕事内容から切迫早産になりやすいといえます。

体調が悪い場合やおなかの張りが気になる場合などは、はやめに上司や同僚へ相談、無理のない仕事を心がけましょう。普段の生活でもおなかの張りにつながらないように心がけて過ごすことが大切です。ママ、赤ちゃんが健やかにマタニティライフを過ごせるよう応援しています!

⦅参考文献⦆
(1)新田真弓.病院に勤務する女性看護職が妊娠継続を困難に感じた体験.日本看護研究学会雑誌.2022, 4 4(5).p.763-776
(2)中川夏実.妊娠中の看護師と一緒に働くことに対する若手看護師の心情.なごや看護学会誌.2021. 3.(1).p. 2-13

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