「助産師から看護師になりたい。だけど未経験でも転職できるのか不安。」と思っている方。私もそう思っていました。
私は助産師として大学病院で4年間経験を積みました。その後、急性期病院の循環器内科・心臓血管外科の看護師へ転職。現在も働いています。
この記事を読んでもらうことで、助産師から看護師への転職活動の実際の体験談や転職を成功させるポイントを知ることができます。
助産師から看護師へ転職しようと思ったきっかけ、理由
転職しようと思ったきっかけは、「疾患のある患者さんをみれるようになりたい」と思ったからです。
そう思うきっかけとなったのは、切迫早産で管理入院をしていた患者さんとの関わりです。肺水腫から心不全となってしまっていました。急激に悪くなる状態に何をどう対応したらよいのかまったくわかりませんでした。
これからもっと妊娠出産の高齢化が進み、合併症をもつ妊婦さんが増えてくる。異常に早く気づくことができないと、文字通り命取りになる環境で自分は働いているんだと恐怖を感じました。
また、職場の人間関係の悩みもあり、看護師への転職をしようと決めました。
転職活動の体験談
私は「転職エージェント」と「直接応募」の2つの方法で転職活動を進めました。結果的に直接応募したところで働くことを決めました。
転職エージェントに登録
まず「看護師 転職」と検索。検索上位に出てきた比較サイトをみて、いくつか転職エージェントに登録しました。
いくつもの会社から電話やメールが来ましたが、最終的に担当についてもらって面談をしたり求人の提案をうけたりしたのは「看護roo!」と「マイナビ看護師」でした。
担当者に自分の希望(年収や働き方)を伝える
エージェント担当者との面談で自分の希望をいくつか伝えました。優先順位の高かった私の希望は以下の通りです。
- 急性期病院の看護師として採用。成人看護の知識や技術を学べること。(実際には未経験の看護師の中途採用は厳しいかもしれないとのことで助産師の求人もいくつか応募しています。)
- 家から30分以内で通勤できる病院。
- 年収はマイナス50万くらいまでOK。
エージェント担当者と話していくうちに、はじめは考えていなかった条件も具体的にすることができたよ!
この中でも優先順位が高かったのは、急性期病院で知識や技術を学べることです。他にもいくつもアンケートのような形で回答する項目があり希望の条件を伝えることができました。
希望条件に近い求人から書類選考に進む病院を決める
私の希望条件を踏まえて、エージェント担当者の方が求人をピックアップしてくれました。もちろん全ての希望条件に合う求人はありません。
ピックアップされた求人の中から自分が選考に進みたいと思う病院を選びます。
書類選考や面接の準備
書類選考に進む病院を決めると、ホームページなどを参考に志望動機や自己PRを考えます。できあがったものを担当者に出すとそれを添削してくれます。はじめは時間がかかりましたが、だんだん慣れてくるので時間をかけずに文章が書けるようになっていきました。
中途採用に求められるのは即戦力。看護師未経験だった私はいくつか書類選考の時点で不合格になりました。
採用面接&病院見学に進む
書類選考で合格となった病院は採用面接に進みます。採用面接と病院見学がセットになっている病院がほとんどでした。
エージェント担当者が病院の採用担当者と日程調整のやりとりをしてくれるよ!やりとりを任せられるとありがたい!
私は急性期病院で働きたかったのだけど、急性期病院でも看護体制が10:1の病院で行われる処置は酸素投与や経管栄養などがメイン。イメージと違うこともあるから病院見学はしておいた方がいいよ!
内定を承諾するか、辞退するか決める
採用面接を受けてから数日から数週間以内にエージェント担当者から合否の連絡がきます。そこで回答期限内に内定を承諾するか、辞退するか決めます。
初めて内定をもらったときは、この病院の内定を辞退して次の病院から内定がもらえなかったらどうしようと気持ちが揺らいだよ。
エージェント担当者へ内定承諾(または辞退)の思いを伝えると、病院の採用担当者へそれを伝えてもらえます。
本命度の低い求人は先に慣れる練習も兼ねて面接。後から本命度の高い求人の面接を受けて、自分の力を発揮できるようにするのがおすすめ!
病院のホームページから直接応募
エージェント担当者から紹介された求人の中で私の希望の条件にぴったりの病院がありました。
この病院、私の希望条件にぴったり!
うーん、この病院は人気なので看護師未経験の方は厳しいかもですね。中途だと即戦力になる方が採用される可能性が高いです。
うーん、でも諦めきれない…
あ!病院が行っている採用試験がまだ残ってる!
直接応募した方がエージェントが持っている中途採用枠から応募するより採用人数が多いので、合格する可能性が高いかもしれません。
その後迷わず応募。結果、内定をいただき、現在はその病院で勤務しています。
助産師から看護師を目指す転職活動中のスケジュール
大きめの病院は春に求人情報が出て、春〜夏頃まで採用試験、翌年4月に入職するパターンが多いようです。人気の病院は採用予定人数に達した場合、採用が終わってしまうので早めに動き始めるのが良いです!
参考までに、私の転職活動のスケジュールを載せておきます。
- 5月転職エージェントに登録
- 5月〜6月担当者より希望条件に合った病院の提案を受け、書類選考に進む病院を決める
- 6月応募する病院に提出する書類を添削してもらう
- 6月〜7月書類選考を通過した病院の採用面接&病院見学
- 7月直接応募の採用試験を受験、内定
- 9月意向調査で退職の意向を伝える
- 翌年4月入職
転職活動を始めると、平日のお休みは転職活動で予定が埋まります…
助産師から看護師への転職を成功させるポイント5選!
希望条件の優先順位を決める
自分の希望する条件が全てそろう病院を見つけるのは難しいです。そのため、希望条件の中でも優先度の高いポイント、妥協できるポイントなど優先順位をつけましょう。
必ず病院見学する
実際に自分が働くことになるかもしれない病院です。入職前後でイメージのずれが起こらないように見学することをおすすめします!
自宅からの通勤時間や通勤経路、入院している患者さんの疾患や状態、病院や働いているスタッフの雰囲気など病院のホームページではわからない情報にたくさん触れることができます。
中途採用は即戦力が求められる!書類選考で不採用でもあたりまえ
私は少なくとも3つの病院は書類選考や採用面接で不合格となりました。新卒の時のように合格前提の採用試験ではないと思って転職活動をした方がいいでしょう。
学生時代の就職活動は、応募する病院はまずは1つ不合格だったら次の応募をするように、と先生から言われていました。中途採用は(特に助産師から看護師への転職は)即戦力になれなかったり、募集の枠に対して応募の人数が多かったりすると平気で不合格となります。
面接では自分のスキルや知識・経験がどのように生かせるか伝える
これは私の失敗談です。「私はここの病院で知識や技術を身につけたいです!」と自分の希望や熱意をアピールしていました。採用する病院側は新卒採用でもないのに、お給料を払って勉強の機会を作って看護師未経験者を採用するメリットがありません。
看護師未経験でも今まで身につけた知識や技術をどのように生かして病院に貢献できるのかというふうに採用担当者に伝えることができたら良かったと思います。
体調、スケジュール管理はしっかり
働きながらの転職活動はハードです。特に転職エージェントに登録すると、スケジュールが次々に決まってくるので、体調を整えてリフレッシュしながら転職活動を進めていくことが大切です。
私は約3カ月程度転職活動に時間を使いましたが、平日の休みはほとんど転職活動に使っていました。
転職エージェントと直接応募 それぞれのメリット・デメリット
転職エージェント
初めての転職活動をするときは、エージェントを利用することで得られるメリットは大きいと思います。以下エージェントを利用するメリットです。
- 非公開求人も含めた幅広い求人情報にアクセスできる
- 日程調整や内定辞退などのやりとりを任せられる
- 面接に同行してもらえる(看護roo!)、採用担当者の人柄や面接を受ける上でのポイントなど教えてもらえる
- 履歴書や職務経歴書などの書類の添削や面接の練習をしてもらえる
- 病院の人間関係や就職した後の実際の話などアクセスが難しい情報を教えてもらえる
反対に、デメリットとしてエージェントを利用することでエージェントの話にうまく乗せられてしまうことも。以下エージェントを利用することで考えられるデメリットです。
- 担当者との相性が合わない可能性がある
- 電話やメールが多い
- 自分のペースで就職活動を進められない可能性がある
転職活動は自分の納得のいく選択をできることが重要です。転職の目的や優先度の高い条件を明確にさせておきましょう。
直接応募
直接応募は希望の病院がはっきり決まっている場合、転職活動にかける時間が短く自分のペースで転職活動を進められるメリットがあります。
- 応募から内定までのスケジュールが短い
- 自分のペースで転職活動を進められる
裏を返せばデメリットとして、すべて自分で行わなければなりません。
- スケジュール管理や書類の作成、採用担当者とのやりとりなどすべて自分で行う必要がある
- 自分で求人情報を探さなければならない、非公開求人にはアクセスできない
まとめ
助産師から看護師への転職や未経験の分野への転職は不安や疑問がある方が多いと思います。
まずは将来、自分がどのような仕事や環境で働きたいのかを具体的にしていくことが大切です。今まで自分が身につけてきた技術や知識をどのように生かせるのか伝えることができると成功への道が開けてくると思います。
この記事を読んで助産師から看護師への転職を考えている方や興味のある方の役に立てたら幸いです。
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